2014/07/28

大船渡に行って


人生2度目の東北の地で、「第26回大船渡ポートサイドマラソン」に参加してきた。
いわて花巻空港前のユーミンにより植樹されたリンゴ

開催日は、平成26年7月27日(日)。大船渡に前日入りで臨んだ。
東日本大震災の被害が大きかったと聞いていた大船渡。
しかし、実際に行って現地で見たことは想像以上だった。

夜の食事をしようと、スマホの地図アプリで検索し、よさそうなお店を選び、向かった。
該当の場所に着いたが、その建物らしきものが見当たらない。
おかしいと思い、WEBで詳しく検索したところ、津波被害により閉店されたとのこと。
周辺の飲食店を地図検索すると、いくつもの飲食店の所在地を示してくれるのだが、建物自体が見当たらない。要するに、地図情報が古いのだ。
WEB情報が当てにならないことがわかり、自分の足で歩いてみることにした。
(今にして思えば、宿泊先の方に聞いてから出発すればよかったのだろうけれど…)

目的としていたお店があったであろう場所のそばに、プレハブがたくさん立ち並び、そこからとてもいいにおいが漂う。
見てみると、「屋台村」とある。プレハブで居酒屋、小料理屋、寿司店など様々な飲食店がいくつも営業されていたのだった。
1店舗あたりカウンターとテーブル席で8名程度で満席になる規模のため、どの店舗も満席で入店を諦めざるをえなかった。

またしばらく歩いてみると、「おおふなと夢商店街」と書かれた看板を発見。
そしてここもプレハブが立ち並んでいた。立ち寄ってみると、複数店舗による週末ビアガーデンが開催されており、とてもにぎやかな雰囲気にひかれた。見事なほたてとの出会いもあった。マラソン前の禁酒を解禁したかったがグッと我慢。

大船渡の商店街。プレハブでの店舗運営。

ほたての刺身。こんなに大きいのは初めて♡

朝、宿泊先から外を眺める。
震災直後はがれきの山だったそう。今はきれいに撤去されて、眼下には空き地が広がる。

また骨組みだけの建物も見た。過去の遺物なのではないと思い知らされた。


旅館の方に、マラソン大会の話を聞く。
震災後はコースが変更され、ここ(旅館付近)は通らなくなったのだそう。
この界隈に住んでいた人たちは、ここには住みたくないとより内陸の方へ越して行き、新興住宅地となっている場所が現在のコースなのだそう。


宿泊先から見た風景。沿岸部には大きな建物が建てられようとしている。

宿泊先から見た風景。すべて流されてしまい、この状態。

そんな大船渡の街中を駆け巡るのが、今年で26回目となる「大船渡ポートサイドマラソン」なのだ。

九州にいると知らなさすぎる東北の現状。
マラソンにかこつけて東北に来て、被災地の現状を自分の目で確かめたかった。
そして本当に些少ではあるが、行って地元で消費することで復興支援につながれば、と思った。
だから来た。


マラソン大会当日、熊本ほど湿度は高くなかったけれど、陽射しは熱かった。気温32℃。
参加資料一式。初めてマラソンタオルをGet!

会場の大船渡市民体育館前の看板

手前が3.11時点、奥が現在の時計表示

開会式の模様
熊本で走っていた時も、ここ最近満足な走りができなかったため、完走できるかすら本当に不安だった。
せっかく来たのだから、気持ちを切り替えて楽しく走ることにした。

出走前に7km地点関門50分閉鎖を聞き、少しうろたえてしまったが、まずはそこにかからないように頑張ろうと決めた。

前を走る人のTシャツの背中に書かれた「負けるな、俺!」に励まされたり、沿道で水を撒いて下さった車屋さんが神に見えたり、「水っこ、大丈夫?」と声をかけて下さった方の言葉が可愛らしくてにんまりしたり、わざわざゼッケン番号を呼んで「頑張ってー!」と言って下さったり、1時間の中で数々の温かい場面があった。

暑い中、沿道のスタッフの方々、声援を送って下さる方々の姿に励まされ、途中歩きながらも無事に完走することができた。

10km完走!
恥ずかしながら、結果がここに掲載されていた

知らない土地でのレースに初参戦したわけだが、知らない土地だからこそ、先入観なくその土地の良さを味わうことができるのではないだろうか。

大船渡に来てよかったと心から思う。
来年の開催時には、この街の風景がどのように変わっているかも楽しみにしたい。