2020/05/15

モダンアートニッポン!

2020年に入ってから、コロナ禍で様々なところに様々な影響が出ている。
私に関しても例外ではないのだが、それはまた別の機会にでも記そう。

本来であれば今年の3月20日より公開予定だった、熊本県立美術館の「モダンアートニッポン!ウッドワン美術館名品選」もコロナの影響で公開日が延期となっていた。
熊本城周辺をランニングするたびに、美術館前の看板を待ち遠しく眺めていた。
幼い麗子像が載ったこの展覧会のポスターが街の至るところに貼られており、よく目にした。
そこに洋画家の藤島武二、青木繁の両氏の名前を発見した時から、開館したらぜひ見に行こうと心に決めていた。美術に詳しくはないのだが、両氏の作品には以前から興味があったためだ。

フライヤー。幼い麗子が可愛らしい。

熊本県による施設の使用停止の協力要請が解除されたことで、5月7日(木)より公開開始となった。
更に5月10日(日)までの公開予定が、本日5月15日(金)まで延期された。
最終日の今日、鑑賞に向かった。

熊本県立美術館前の看板

県立美術館に隣接する二の丸広場から見た熊本城天守閣


美術館では、コロナ感染拡大防止のため、入館時の検温、体調確認のためのアンケート、ソーシャルディスタンスをとりやすいような床のディスプレイなど、県の方々が相当の人数で対策に当たってらした。ここまでしないと開催が不可能だったのかと思うと感謝しきり、本当にありがたいことだ。

入館後、憧れの絵画との対面。
中には、撮影許可が出ているものもあり、嬉々としてスマホカメラのシャッターを切った。
今回はすべて初めて見たものばかりであったが、やはり本物はいい。
フライヤーや書籍やネットで見るのとは、迫力が全く違う。作品に息吹さえ感じた。

主催者のあいさつ文に目を奪われた
ひととおり鑑賞したあと、改めて主催者ごあいさつに目を通し、中盤以降にある以下の文章に驚いた。


熊本県立美術館では、これまでにも多数の特別展を開催して参りましたが、近代日本絵画の名品展は昭和63年(1988年)の「近代洋画の巨匠たち」展以来、約30年ぶりの開催となります。

昭和63年に開催された上記の展覧会は、当時高校3年生だった私が人生で初めて美術館で絵画を鑑賞したものだ。藤島武二の「天平の面影」や青木繁の「海の幸」を間近で見てその勢いに圧倒された、忘れられない会である。日本史の教科書やカラー資料で見た作品とは全く違う、絵画の力に刺激を受けた。
まさに美術館に足を運ぶようになったきっかけの会である。

まさかこんな形でタイムカプセルの蓋が開くとは思ってもみなかった。
コロナが終息したら刺激を求めて、またどこかの美術館に鑑賞に行こう、そんなささやかな夢を描いてみた。

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