2013/10/06

おてもやんコンクール?

今日は秋のくまもとお城まつりの中のイベント、民謡「おてもやんコンクール」を見に行った。

そもそも「おてもやん」とは?

Wikipediaによると、
「『おてもやん』は、日本民謡、および、歌詞に登場する女性の名前(「やん」は敬称の「さん」、「ちゃん」の意であるため、名前としては「おても」、「ても」となる)」だそう。


熊本市の県民百貨店前にはおてもやんの像がある。


県民百貨店前のおてもやん像

同名の民謡もよく知られている。
前出のWikipediaにも、「熊本民謡の代表格とも言われる。熊本弁が強く出た陽気な歌詞が特徴。」と書かれている。

どのような歌詞なのか、以下に記そう。

   おてもやん あんたこの頃嫁入りしたではないかいな
嫁入りしたこつぁしたばってん 
ご亭どんが ぐじゃっぺだるけん 
まあだ杯はせんだった
村役 鳶役 肝煎りどん 
あん人たちのおらすけんで 
あとはどうなときゃあなろたい
川端町っつあん きゃあめぐろ 
春日ぼうぶらどんたちゃ 尻ひっぴゃあて 花盛り 花盛り
ピーチクパーチク雲雀の子 げんぱく茄子のいがいがどん

(訳)
「おてもさん、最近結婚したそうですね」
「一応結婚しましたが、村役、鳶役、肝煎りさんたちが 夫になる人が疱瘡のようだと言うので、結婚式はまだしていません。あの人たちが後はどうにか適当に段取り をするでしょう」。
熊本県観光サイト なごみ紀行より)

前置きが長くなったが、民謡「おてもやんコンクール」の話。
熊本市中央区五福公民館で開催された。
五福地区はおてもやん発祥の地なのだそう。

参加エントリーは116名、欠席者を除く110名が自慢ののどを披露した。
年齢別、男女など8つの部門に分かれての発表、曲はすべて民謡「おてもやん」の1番。

トップバッターは88歳の「おてもやん」。


観客も口ずさみながら楽しむ。

太鼓や三味線、尺八の生演奏をバックに。

出場者は、小学校1年生から90歳までと幅広い年齢層であった。
迫力のある歌声、踊りを交えての表現、おてもやんさながらの衣装やメイクなど、老若男女の発表者それぞれの「おてもやん」を楽しめた。

車椅子で参加の女性や、北九州市から参加された女性、コンクール後に入院を控えている女性など、このコンクールにかける想いも垣間見えたような気がした。

「また来年も参加します!」と声高らかに参加表明をした方が何人もいた。

8つの部門それぞれ上位3位までが入賞。


8つの部門の優勝者の中からグランプリが選出された。

↑グランプリの歌声を、と思ったが、ゴメンナサイ。

熊本の無形文化財、民謡「おてもやん」、私は歌詞を読みながら聴いたのは初めてのことで、改めて熊本弁のパワーを感じた。

このコンクールの最初から最後まで聴いたのだが、今日だけで民謡「おてもやん」を少なくとも110回以上は聴いたことになる。
同じフレーズのはずなのに、皆さんの持つそれぞれの個性が全面に表れ、飽きるどころかあっという間に時間が過ぎた、というのが正直な感想だ。

8つの部門の優勝者は、10月20日(日)に熊本城奉行丸で開催される「伝統芸能の祭典」に出場、歌声が披露されるので、ぜひ聴いて頂きたい。