2011/06/26

”学力観”

一昨日のこと。
終業後に「”子ども・若者とメディア”を考える会」の講演を聴きに行って来た。

きっかけは、Facebookのニュースフィードで見かけたことから。

「学力」について改めて考えてみませんか?


この問いかけは、鮮烈に心に刺さった。


「学力」って一体何だろう?
「頭がいい」とか「地頭がいい」とか、よく使う言葉ではあるが、
それと同じ定義で使うものなのだろうか?
更に、それらの言葉を他の方々はどのように捉えて使っているのだろうか?
また、勉強ができる=学校の成績が良い=学力が高い、と捉えがちだが、果たして本当にそうなのだろうか?


photo:01
ここに記載の桑崎剛先生のことは、私が某ケータイキャリア代理店に在籍していた頃にお世話になったご縁で存じ上げていた。
桑崎先生は、教育の現場で情報モラル教育に取り組んでおられ、子供たちのケータイ電話の利用や取り巻く環境など実態調査を踏まえて子供たちにケータイ電話をどう使わせていくべきかを提言されている。


また、ここに記載のOECD国際学力比較調査についても、事前に調べた。

概要は以下のとおり。
・2000年より3年に1度実施
・調査対象は、15歳男女
・日本では高校1年生を無作為抽出。
・2009年の参加国は65カ国
・読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3つの分野で分析

分野毎、国毎の分析結果については、上記のリンクを参照して頂きたい。


さて、講演より。


この「OECD国際学力比較調査」とは、世界標準の学力を推し量る指標なのだそうだ。

では、「学力」とは?

$ポジティブな日々
これは文部科学省の現行学習指導要領の図解である。

日本人の学力低下が叫ばれている昨今、先ほどの「OECD国際学力比較調査」等の分析結果をもとに、日本でも学力の定義が見直されたそうで。

ここに記載の「確かな学力」がいわゆる新しい「学力」観とのこと。

目を引くのは、「学ぶ意欲」という言葉。


「OECD国際学力比較調査」では、学習状況の調査も併せて実施しているそうで、それを含め、海外の子供たちと比較して日本人には以下の特徴があるそうだ。

・勉強を楽しんでいるか? Yesの回答率が低い
・将来、また勉強をするか? Yesの回答率が低い
・読解力、思考力が低い
・白紙回答が多い


勉強を「ヤラサレている」姿が垣間見える。
まさに、「学ぶ意欲」が低いと言えまいか。

普段、生活をしていて感じることなのだが、最近若い人たちから「意欲」を感じることが少ないような気がする。


この原因は一体何なのだろう?
非常に難解な問題、一度皆でブレーンストーミングをしてみたいところ。


とはいえ、子供たちの学ぶ意欲をあげる環境をつくる努力を我々大人はやらなければならない。

では、どうすれば?



学力世界一と目されるフィンランドでは、教育を国の最重点課題として取り組んできたそうだ。
また、国民全体の読書量が最も多い国なのだそうだ。もちろん保護者、大人も含めて。
図書館利用率も世界一だとか。


携帯電話利用について、子供たちにアンケートをとった結果をもとにしたお話。
「利用を気にしているか?」を子供に問う。
例えば、「禁止されている場所では電源を切る」「携帯電話を使いすぎない」など。
更に、親が自分(子供)の携帯電話のその使い方を知っていると思うか?、を続けて子供に問う。
「知っていると思う」と答えた子供の方が携帯電話の使い方に気を配っているという分析結果が出たそうだ。
つまり、親が見ているかどうかで子供の行動に差が出てくる、ということ。
親がしっかり見守っていることで、子供の行動規範に表れる。
そしてこれは、学力にも相関するそうだ。


また、大手進学塾では、有名進学校に合格させるには「子供部屋はいらない」と言う。
ではどこで勉強を?と思うのだが、「リビングでやらせる」と。
リビングで子供が勉強している時に、周りの家族は勉強しやすい環境をつくってあげるはず。
子供部屋にひとりでこもるのはよろしくない、ということと、家族みんなで支援するが大事である、と。
「見守り」と「精神的な支援」が非常に重要なのだそうだ。



当然のことながら、我々"親"の役割は大きい。



また、せっかく培った「学力」もちゃんと発揮せねば意味がない。
「学力」はいつ発揮するものなのだろうか?


このご時世に、秋田県にある、国際教養大学の就職率は100%なのだそうだ。
この学校の授業の特徴は、すべて英語で行う、ハーバード大学のビジネススクールにおいて実施されているケースメソッドを取り入れている、ということ。
ケースメソッドとは、様々な課題に対して自分で判断し行動・解決できる力を養う教育方法のこと。
つまり、このような教育手法で学んだ学生たちは、「真の意味での学力を備えている」という評価を得て、引く手数多なのだそうだ。


学力を生涯活かす定義として私が思ったのは、「よりよく生きていくために必要な力」、という自分なりに解釈し、会場を後にした。

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