2014/02/15

祖母が教えてくれたこと

今年の元旦9時35分に、私の祖母が他界した。享年93歳。

昨年末に集中治療室へ入院、見舞に行っても言葉を交わせない状態ではあったが、手を握り声をかけると、ギュっと握り返してくれ、その力強さに少し安堵していた。

無事に年を越せたらいいね、と母と話していた矢先の訃報にとても驚いた。

今年の正月はこのような理由でとても慌ただしく過ごした。

しかしながら、通夜、葬儀いずれも原因不明の高熱のため、私は参列できなかった。
その翌日には何事もなかったようにピタリと熱が下がったのだが、これも何かの因縁なのだろうか。

今日はそんな祖母の四十九日法要が無事に終わり、改めて祖母の思い出を振り返ってみた。

祖母にとって母は長女で初めての子、私は初孫にあたる。
同居ではなかったが比較的近い場所にいたため、よく行き来をしていて、大変可愛がってもらった。

何度も入院生活を余儀なくされた幼い頃、下宿生活の高校時代、若気の至りで過ごした上京時代、そしてその後も、ずっと心配ごとの絶えない私を静かに見守ってくれていた。

母は祖母のことを語る時には決まって「(祖母は)生まれてから何の楽しみがあったのだろうか」と言う。
人のため、家族のため、身を呈して来た祖母の姿を目の当たりにしたからだろう。

ある時期など、私のために毎日陰膳を据えてくれていたそうだ。
祖母は私にそのことは一言も言わなかった。
そのエピソードを後になって聞いた時、黙って静かに信念を貫く祖母の芯の強さを感じた。

昔の女性は皆、そうだったのかもしれない。

見返りを求めない慈悲の精神の美しさ、祖母が教えてくれたことが脈々と受け継がれるようひとりの人間として努力していきたい、そう感じた今日だった。

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